「プログラミングのスクールとか学習サービスとか、やっといた方が良いの?」という相談を受けることがあります。
ほとんどの場合「スクールも悪くないけど、とりあえず本を読んで…」と、あいまいな回答で終わってしまいます。
本当は、その人の状況を聞いた上で、適したアドバイスをしたいのですが、なかなかそうもいきません。
本(独学)を勧める理由
最もおススメの習得方法は「本を読んで独学」と考えているので、ウソを教えているわけではないのですが、ここで、もう少し掘り下げてお話ししましょう。

会社に入ってから、短期集中のスクールに通いました。
費用は5万円以上だったと思うのですが、会社が払ってくれました。恵まれてましたね。
私は、専門学校の授業を受けた経験と、一般の短期集中型スクールに数日だけ通った経験があります。
それなりに得る物はありましたが、万人に薦める気にはなりません。
その理由を一言で言うなら、こうです。
「本1冊分に過ぎない」
スクールの特性と選択の難しさ
スクールやサービスには、カリキュラムがあります。
カリキュラムの構成を見てみると、その意図が透けて見えてきます。
ほとんどの人が習得可能であろう、という範囲とレベルに絞って、できるだけ多くの人が続けられるだろう、多少面白い内容で、少しでも役に立つ、そんな内容です。
各スクールやサービスによって、いろいろと工夫はある様ですが、1つのカリキュラム≒1冊の本という大枠から外れることはないでしょう。
当然ですよね。ハイレベルな内容にしたらほとんどの人が付いて来れずに辞めてしまいますから。
逆に誰でも習得できるようなレベルに落としたら、不満が噴出するでしょうし。
かといって、多様なカリキュラムと細かいレベルを用意されても、どれを選べば良いか分からなくなります。
本の選択には失敗が無い
その点、本の場合は、ハイレベルな物から初心者向けのものまでいくらでもありますし、選択を誤っても別の本を買えば済む話です。
そして、往々にして、読むのをやめた本も、後から読めば非常に役に立ったりします。
スクールが必要なケース
ただし、以下の様な方は、スクールが効果的だと思います。
- 本がキライだが授業は聞いてられる。
- 塾やスクールに通うのが好き。
- 人と一緒に学ぶのが好き。
スクールに通いたいと思ってる人をわざわざ止める気はありませんし、そんな強い理由もありません。
迷うくらいなら…
しかし、迷っている人は、まず本を手に取ってみた方が早いですね。迷っている時間の方がもったいないですよ。
そうしてみて、どうしても進まない、とか、読んでは見たが、プログラムが作れない、と感じるようであれば、スクールを考えてみるのも良いでしょう。
第三の選択肢
しかし、ここで、もう一つ提案があります。それは、スクールとは違い、授業スタイルではなく、自習スタイルの教室です。
カリキュラムの無いプログラミング教室や、単に同好の士が集まって各々勝手にプログラミングを行うもくもく会、プログラミングの経験者がアドバイスだけ提供する CoderDojo などが有名ですね。
実は、こういった集まりやスクールには、本には無いメリットがあります。
独学には無いメリット
それは、「人とのつながり」と、ちょっとした「強制力」です。
本などによる独学は自由に学べますが、自由にやめることもできます。
つまり続けるための強制力に乏しいのです。
(ああ、その点で言えば、自由な時間に始められて自由にやめられる学習サービスは、この点において、メリットなのかデメリットなのか怪しいところです。)
また、他の人や教師が、どんなツールを使っているかとか、どのくらいのスピードで作っているかとか、どの様に取り組んでいるかとか、何を見ているかなどを知ると、大変良い刺激になります。
独学の場合は進んで情報収集しないと、世間から取り残される恐れがあるので要注意です。
ああ、また耳が痛くなってきたのでこの辺にしておきましょう。



